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前期くらいから悩んでたネタなんだけど、とりあえず\やってみよう/

ゲーム内でやると色々アウトなネタかもしれませんが、
そこは創作RPということでご容赦を。

*****

『心の弱さが隙を作る』


――僕の中に寄生するあいつは、僕にそう言った。


『地図上の距離以外にも、空白が出来ちゃう気がして』


――思わず零れた言葉は、本当に僕の本音だったのかな。


「……ッ」

薄暗い部屋の中、ベッドの上に座って膝を抱える。
蹲ったまま僕は、静かに目を閉じた。

「僕は……何を怖がってるんだろう」

やっと自覚した『恐怖』。
漠然とした不安は、理由が明確で無いから取り除かれない。

――酷く眠い。

身を任せるようにして、僕はそのまま寝台に横たわった……。






――暫くしてから、僕は一人街を歩いていた。

目的は無い。
ただ、部屋にずっと一人の環境が、良くないと思ったから。

――でも、結果から言えば逆効果だったよ。

人気の無い路地に立ち、壁に背を預ける。
喧騒が遠くに聞こえる。

皆が賑やかに歩いている中、僕は一人なんだ。
僕だけ一人っていう環境が、尚更僕の孤独を掻き立てた。

「――苦しそうな顔を、しているな」

直ぐ近くから、低い声がした。
驚いた僕は顔を上げて、声の主を見る。

――黒いローブで顔は分からない。
けど。

「楽に、なりたくないか?」
「…………」

甘美な言葉で人を誘い、闇の淵へと導く。

「心配するな。私はもう、ヒトに興味は無い」
「…………」
「ただ、同志がどう足掻いても手放さない存在を、見てみたかっただけだ」

確信した。
――こいつは。

「お前のこと、見ていた。酷い眠気と、心の不安に悩まされているようだな」
「…………」
「その眠気は、お前の心の不安を解消する為に、お前の本能が行わせている。
 お前の本能は、心の不安から忍び寄る侵食の影を、追い払おうとしている」

そして、とそいつは言葉を続けた。

「お前の『真実』はそれを知っていた。知っていたが、伝える術を持たなかった」

――僕の『真実』。

「手を貸してやろう」
「……どういうこと」
「お前の心の不安。それが無くなれば、眠気も自ずと消えるであろう」

ローブから、小さな小箱が取り出される。
僕に向かって差し出されたその箱の中には、小さな錠剤が入っていた。

「心の不安を取り除き、加速する侵食を通常通りに抑え込む」
「…………」
「一人は嫌なのだろう?そしてそう思う己を、嫌悪していたのだろう」

…………。

「自らの弱さを露呈することを、嫌がっていたのだろう。
 ならば、それさえ取り除ければ、お前の中の不安も侵食も、全てが味方となるであろう」
「……そん、なの」
「孤独を恐れ、弱気になる心こそが『我々』悪魔の付け入る隙だ。
 お前なら、よく分かっている筈だ。まだお前がお前として生きたいと望むなら」

『手を取れ』

差し出された小箱。
普段の僕なら、きっとくだらないと弾き返していたんだろう。

けど、今の僕を誘うには充分過ぎた。






「ッ!は……くぅっ!」

翌日の晩、僕は一人痛みに苛まれていた。
胸を押さえ、床に膝をつき寝台の淵に寄りかかるようにして痛みを堪える。

……副作用、か……。

けど、確かに効果はあった。
朝飲んで、一日眠気も何も覚えなかった。そして、不安も。

痛みに耐えながら、昨日出会ったあいつの言葉を思い出す。

『この薬の存在を他言するな』

――不意に、ついぞこの間まで僕の部屋で話していた友人を思い出した。
その顔が脳裏を過るけど、どんな表情をしているのか、分からなくて。

「……ッ!」

呼吸が乱れて行く。

机の上に置きっぱなしになっていた小箱を、思わず掴んだ……。

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